2017 / 11
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「世界の工場」と言われて久しい中国ですが、音楽業界も例外ではありません。
安い中国製の管楽器を見るのは、もう珍しくもありません。
今や世界中の楽器メーカーのほとんどが中国に生産拠点を持っています。
あの国内最大かつ世界最大の楽器メーカーであるY社でさえ国内自社工場の他に中国にも生産拠点を保有しています。
同じ日本のK社に至っては部品供給から組み立てに至るまで中国で行っている製品もあるのです。

資料は少し古いですが、2012年7月日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、
2008年より中国は世界最大の楽器輸出国となっています。
また、中国に限らず、各楽器メーカーは、コストダウンのため人件費の安い国を求めてOEMメーカーを探しているのです。

★OEMとは?
製造を発注した相手先のブランドで販売される製品を製造すること。
製造を請け負う企業をを「OEMメーカー」という。(参照:コトバンク)

例えば、フランスのクラリネットの初心者用グレードの製品がドイツで作られていたり、
イギリスのトランペットの安いグレードのものがインドで作られていたり…
そのほかにベトナムで作られたサックスや、自社ブランドとして台湾製の楽器が売られていたりしますよね。

中国のメーカーもOEMと同時に、自社ブランドを作り販売するようになってきました。
見た目は、有名ブランドとうり二つ。しかし、音はと言うと…同じ音など出る訳もありません。

しかし、最近になってこのような楽器が出てきました↓↓↓価格240,000円(税抜)

320pxBrasspire Unicorn フレンチホルン

楽器店がオリジナルブランドとして発売しているA社のホルンにそっくりな楽器です。

本家はこちら↓↓↓ 価格1,200,000円前後(税抜)

320pxアレキサンダー103

よくもまあ、ここまでコピれるもんだ…と思うでしょう?
でもコピーではないのです。
どのブランドもそうですが、各メーカーから注文を受けて製造し、OEM供給をしているのですから、元々、本物の原型を作ってきたわけです。
それを自社ブランドとして販売し、オーダーに応じて楽器店の商品名を刻印したり、エンブレムを貼って供給しているのに過ぎないのです。

つまり、この商品に限らず、中国製の楽器はコピー商品などではなく有名ブランドの楽器製造を一手に引き受けてるだけなのです。

では、先に紹介した楽器が、他の中国製楽器と何が違うのか?
それは、お国柄とも言える中国の生産拠点の問題点をある程度、クリアしていることです。
これはJETROも調査で指摘している点ですが、課題として
・市場監督管理の欠如
・内部統制能力の弱さ
・製品構造の調整・中高級製品へのアップグレードが困難
・従業員技術レベルの遅れ
そのような点が挙げられています。

つまり、分かりやすく言うと、中国では、
・ずっと作業工程を管理していないと手抜きをする。
・製造は大体あってりゃイイと思ってる。
・大雑把な完成品の微調整ができない。
・自分のミスを認めたがらない。などなど
そのような理由から、発注して届いた製品をそのまま売られているものは楽器として疑わしいわけです。

先に挙げた楽器は、しっかりと工程管理をし、監修を日本人プロ奏者に委ねた上で販売しているのですから、
本家ほどではないにしろ、あながち使いものにならない、という訳でもないかも知れません。(初心者にとってですよ)

古くは、日本企業による徹底管理で成功している台湾のJ社もあります。

そうした課題をクリアし、入荷して日本国内にて再調整・微調整を経た楽器なら、普通に使える代物となるでしょう。

これはOEM供給から始まった日本の自動車メーカーが辿った道と全く同じです。

しかし、それでも本家は100万円を超えてしまう現状、どうにかなりませんかねえ…(^_^;)国内メーカーも同様に。

有名ブランドと言えども、お手頃価格のグレードは、どこの国で作られたのか確認した方がよさそうです。

ちなみに、これは企業秘密でも何でもありません。
ブログではイニシャルにしているだけで、JETROの報告書には、はっきりと企業名が明記されていますので(^^)

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